クリニック・病院開業時のネットワーク(LAN)工事で絶対に抑えておくべき3つのポイント

皆さんこんにちは。弊社では普段より、クリニック・病院のPACS(MRI、CT、レントゲン、エコー等の画像ネットワーク)の設置や運用を行なっておりますが、このような設置業務を行う中で、様々なトラブルを見る機会があります。

今回は特にクリニック、病院の開業時におけるネットワークに関して特に多かった問題とその解決方法、注意点について解説していこうと思います。

ネットワーク回線は病院の命脈

高度にネットワーク化された、現代の業務で、医療関係の業務もネットワークは切っても切り離せない関係にあります。レセコン、電子カルテ、検査機器データの受け取り、手術動画のネットワークストレージへの保存、クレジットカード端末など、ネットワークが必要な業務は多岐に渡っています。

ネットワークの障害や運用の制約がかかることは、病院機能の停止、冗長化ができない、新たな機器の導入に制約がかかる。など、様々な支障をきたす事になります。

実際に、どのようなトラブルが発生したのでしょうか?一つずつ見て行ってみましょう。

過去発生していた実際のトラブル

インターネット回線が医療法人ではなく、ネットワークの設置業者だった

なんと、自分の家のインターネットの契約が他人名義になっているのと同じケースが発生しました。びっくりするような事例でしたが、実際に発生していました。

回線のメンテナンスを請け負っていた業者が、契約までを全てやっていたようでした。メンテナンス業務終了と同時にインターネット回線も引き上げになりますので、それ以降のインターネット契約を行なっていなければ、急にインターネット回線がストップし、業務に大変支障が出ることになると思います。

あまりいい業者さんでなければ、契約終了同時に、数ヶ月後に、いきなりNTTがインターネット端末の回収に来たりしますので、インターネット回線の契約者の確認は確実に行うようにすること、必ず医療機関、もしくは使う人の名義で契約することを強くお勧めします。

ルーター(重要なネットワーク機器)のIDとパスワードが開示されない

重要なネットワーク機器に対して接続するためのログイン情報が提供されていないケースもありました。

これは何が問題かというと、院内のネットワーク構成の変更や追加の機器の設置を行う際に、必要な設定の書き換えができず、機器の設置に支障をきたす可能性があります。

また、ルーターの情報が開示されていなければ、重要な設定データのバックアップもできないだけでなく、万が一機器が故障し、ルーターを入れ替える必要が出てきた際にも、ネットワーク設定をバックアップできていないので、復旧に相当時間を要する場合があります。普段はあまり壊れるような機器ではありませんが、今までに1事例を見たことがありますので、絶対にないとは考えず、常に最悪のケースを想定してログイン情報や設定情報は入手したほうが良いでしょう。

ネットワーク図の納品がない

院内の壁からLANケーブルのジャックが出てくるように施工してあると思います。このジャックが、ネットワーク機器のどのLANポートに繋がっているか、壁や天井裏を伝っていかなければ、基本的には解体をしなければわかりません。業務用のネットワーク機器は、LANポートごとに設定が施されているため、ネットワーク図が無ければ、これらを辿ることができず、ネットワークの拡張やトラブルが発生した場合のトラブルシューティングに大きな支障をきたします。

院内のC工事を行う際は、必ずネットワーク図もセットで納品してもらうようにしてください。

ネットワーク機器などの所有権が不明確

ネットワークのメンテナンス業者はいるとは思いますが、ネットワーク機器の所有権がどうなっているか、確認したことがある方は少ないと思います。

ネットワーク機器の設置業務が、業務委託になっているのか、それともリース物件になっているのか?ましてはレンタルになっているのか?によっても所有権は異なってくるとは思いますが、これが不明確なまま、運用に乗っかっているケースがあります。

所有権が医療法人にない場合、サポート契約の終了と同時に機器の撤去になると思いますので、しっかりとそれぞれの所有権について意識した上で設置を行いましょう。理想は医療法人で機器の購入を行い、業務委託でネットワークの設置を行うことです。重要な機器は全て所有権や重要なアクセス権を握っておくことを忘れないようにしてください。

気をつけておくべき3つの対策

きちんと契約書を締結して責任範囲を明確にしておく

業者に「何を」依頼して「何を」納品してもらうのか、明確にしましょう。納品物が不明確になっていたり、必要なものが納品定義から外れていると、運用後後々になって根深い負債が残ることになります。納品物として注目しておくべき項目は次の通りです。

  • ネットワーク機器の設定”代行”
  • ネットワーク機器の設定情報
  • ネットワーク図
  • ネットワーク機器のログイン情報

納品しっぱなしで、その後は面倒を見ない。という前提の契約も普通にありますので、当初よりそのような想定で委託するつもりだったのか、しっかり中身を確認したり、場合によっては顧問弁護士に依頼して契約書を作成していただいたほうが良いです。

所有権を明確にしておく

業者に設置してもらった機器は、所有権があるものなのか、無いものなのかはしっかりと把握しておくようにしておきましょう。リースなのか、業務委託で設置してもらったものなのか、正確に管理・把握しておくことで、業者の切り替えの際に突発的なトラブルに遭遇する確率が大分下がります。

また、後からしっかりと契約状況を調べられるように、契約書の管理は確実に行なっておくようにしましょう。

必要なIDとパスワードはしっかり共有を受ける

自分たちで管理しないにしても、管理権限のあるアカウント情報はしっかり把握しておきましょう。大小様々な規模の会社がおりますが、ある日突然管理をしているスタッフがいなくなる事もありますし、会社ごとなくなってしまう可能性もあります。また、メンテナンス契約を継続させるために重要な設定のアクセス権を渡さずに、スイッチングコストを上げて契約の継続を狙ってくる業者も中にはおります(アクセス権さえあれば、他の業者や技術者で業務を引き継ぐことが可能になります)。

そういったトラブルから身を守るためにも、必要な管理権限については可能なものは全てもらっておくべきです。

ネットワークの診断もやっています

弊社では、これらの問題が発生していないかも含めた、総合的なネットワーク診断を行い、想定されるリスクや理想的な運用の提案をセットにしたネットワーク診断サービスも行なっております。ご相談事がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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